友だちと深遠なようなどうでもいいような──つまり徹頭徹尾どうでもいい──ことを議論しながらエレベーターに乗りこみそのまま議論をつづけていたら二人とも行き先階のボタンを押すのを忘れておりそして哲学科のある建物のエレベーターは行き先階のボタンを押すかあるいは他の階から呼び出しを受けないかぎり動き出さないので微動だにしないエレベーターのなかでしばらく議論をつづけていた。