あるアーティストの物語(ダニエル・ジョンストン)

ねえ、ちょっと聞いてよ、ぼくがこれから話す
年老いてしまったアーティストの話を
ある人たちは名声と栄誉を手に入れようとする
ある人たちはそこまでの高望みはしない

友だちや家族がみんなして
こう言うんだ、「ほら、仕事にでもつきなよ」
「どうしてそんなことしかしないんだい?
なんだってきみはそんなみょうちきりんなの?
じっさいのところ、きみのやってることはあんま好きじゃないな。
というか、好きになる人がいるとも思えない。
それがきみの問題なんだよ。
でもって、それがゆえ、きみは調子わるくなっちゃったんだよ」

ねえ、ちょっと聞いてよ、ぼくがこれから話す
年老いてしまったアーティストの話を
ある人たちは名声と栄誉を手に入れようとする
ある人たちはそこまでの高望みはしない

そのアーティストはひとり歩く
誰かがその背後でこう言う
「あいつ、自分から苦境に飛び込んでってるようなもんだよな!
自分が置かれてる状況がどんなもんか、分かってないんだよ!」
アーティストは花のなかを歩いてゆく
太陽に感謝しながら
これが、彼が起きてるときにする、すべて
でも、そういうふうにするのってそんなにいけないこと?

彼らはテレビの前に座り
こう言う、「おい、これおもしれえぜ!」
そして彼らはアーティストを嗤いながら
こう言う、「あいつ、人生のたのしみ方ってもんを、知らないんだよな」
この世でいちばんすてきなことは、ほんとうに自由なものなんだ
たとえば、歌うトリ、笑うハチ
「きみたちは、ぼくを誤解してるよ」とアーティストは言う
「テレビのなかには、太陽は輝いてないんだよ」

ねえ、ちょっと聞いてよ、ぼくがこれから話す
年老いてしまったアーティストの話を
ある人たちは名声と栄誉を手に入れようとする
ある人たちはそこまでの高望みはしない

友だちや家族がみんなして
こう言うんだ、「ほら、仕事にでもつきなよ」
「どうしてそんなことしかしないんだい?
なんだってきみはそんなみょうちきりんなの?
じっさいのところ、きみのやってることはあんま好きじゃないな。
というか、好きになる人がいるとも思えない。
それがきみの問題なんだよ。
でもって、それがゆえ、きみは調子わるくなっちゃったんだよ」

ねえ、ちょっと聞いてよ、ぼくがこれから話す
年老いてしまったアーティストの話を
ある人たちは名声と栄誉を手に入れようとする
でもある人たちは、世界を眺めているだけで、まんぞく